広告メディアプランニング

書評:メディアプランニングナビゲーション

書評というほど大げさではないのですが、最近読み紹介したい本がありましたので少し書きたいと思います。この本も頂いた本ですが、このところ、何冊か送っていただいた本があるのですが、自分の研究もありまだ読みきれていません。同時並行で何冊か読んでいるのですが、「はじめてのマーケティング」「アンバサダー・マーケティング」「キャラクターパワー」も良い本ですのでお勧めです。また別の機会に書かせていただくことにします。


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さて、今日ご紹介するのは『メディアプランニングナビゲーション』という本でADKコミュニケーションチャネルプランニングプロジェクト編著となっています。メインに書かれているのはADKの沼田洋一さんで古くからのお友達です。というか昔は競合する広告会社で同じクライアントを担当していた時期もありました。大変素晴らしいメディアプランナーの方で、私の広告会社に引き抜きたいと思った時期もありました。もちろん無理な話でしたが。現在は、ADKのシニアプランニングディレクターという肩書きで今でも現場のメディアプランを作成されることもあるそうです。私が実務を離れても時々ですが、お会いして今のメディアプランニングの課題などを教えていただいています。





さて、この本ですが、日本では大変珍しいメディアプランニングの実際の手法について述べられています。これまで日本語でメディアプランニングの本を読むには、20年以上前に出された『戦略的メディアプランニング』と『マーケティングからみた媒体プランニング』の2冊しかなかったといえると思います。両方とも翻訳本です。正確にはもう何冊かあるのですが、テレビなどに特化しているものやそれ以前のものは各メディアの特性を述べているレベルでした。





加えて、これまでのテレビを中心とするマスメディアのプランニングにPOE(ペイド、オウンド、アーンド)という新しいコミュニケーションを意識して書かれているのも大変素晴らしいと思いました。実務を離れて10年もたってしまったので、正しいかわかりませんが、マスメディアを中心としたメディアプランニングができる人はどうしても職人的で、SNSなど新しいメディアに疎いところがあり、逆に、最近のネットのプランをされている方は、マスメディアで長年積み上げられたプランニング手法を学ぶ機会があまりないというのが現状だと思います。





それを150ページほどでまとめているのですからすごいといわざるえません。
たとえば、頻度の問題はどうか、期間戦略やエリア戦略をどう決めるのか、ターゲットインサイトに近づくためにはどう考えればよいかなど、今のネット系のコミュニケーションにも十分役に立ちますし、先人の知恵を利用しないのは損ですね。2年ほど前に紹介した福田浩人さんの『ビジネスマーケティング分析入門ガイドブック』もメディアプランニングに大変役立つ本ですが、こちらのほうが福田さんのご本より統計的な部分が少なくなっています。





その分、ある意味ADKさんのPR的な部分もあり、ADKさん独自のデータを使った分析手法で書かれているので、ADKさんと取引がない人は少し厳しい面があります。できれば、3段階で大手の広告会社に依頼しなくても自分で分析できるレベル、ビデオリサーチのACRのような比較的多くの会社で契約をしているデータを用いて分析するレベル、そして大手3社のような独自のシステムで組むプランニングのレベルとわけてあるとさらに良かった気がします。





また、少ないページにこれだけ詰め込んでいるために、経験のない人は少し理解が難しいと思いました。できれば欧米のメディアプランニングのテキストのようにワークブックがついていて、それで自分で試して見れるようなものがあれば勉強になるのにと思ったりしました。それなら「お前が書けよ」といわれそうですが、残念ながら、まだメディアプランニングの裾野のはそれほど広がっていませんので、それらを必要としている人も少ないと思います。OBの方で広告メディアにかかわる方は一度読まれることをお勧めします。その上でもしわからないことがあればいつでも連絡ください。質問にはお答えします。





メディアプランナーという職種が日本に登場してまだ20年ほどだと思います。広告というと兎角クリエイティブに目がいきますが、ぜひメディアプランニングにも目を向けてもらいたいと思いました。

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2013年日本の広告費とメディアに望むこと

2月20日に電通さんより「2013年日本の広告費」の発表がありました。経済産業省からも確か発表はあるようですが、電通さんのデータが業界では使われています。私も講義では、こちらを使っています。このデータ電通さんが、各企業に問い合わせをして算出をしているようで、本当に助かります。凄い努力ですよね。


さて、2013年総広告費は5兆9762億円と前年費1.4%増ということで、2年連続の増加のようです。でも2007年は7兆円を超えていましたので、それを考えればまだ1兆円は下がった計算です。マスメディアもテレビの0.9%増など、どうにか維持をしているようです。一方、ネットは8.1%増ですし、衛星放送関連は9.6%とかなり増加になっています。
あまり数字だけ出しても面白くないので、これから何が伸びるのかを少し考えてみたいと思います。折り込み、DM、フリーペーパーが軒並み前年割れをする中、屋外広告が2.5%増と交通広告は1.5%増と頑張っているようです。前者は紙媒体なので、厳しいですね。後者はデジタルサイネージなどの影響もあると思います。交通媒体は、私が東京に行った時にまだ空きが目立つような気がしますが、これから変わる可能性は高いですよね。デジタル化にうまく移行できれば、効果測定も可能になるし、交通広告は効果が見えにくい感じはありましたが、その辺もこれからの可能性は十分にあると思います。あとはどれだけ初期投資ができるか、そしてそれを安く行える技術とアイデアなのかもしれません。
それから、POPも6.0%増とかなり良かったようです。これももしかしたら、店頭でのデジタル化の影響かもしれません。位置情報でのジオマーケティングの使い方はこれからいくらでもアイデアが出そうな気がします。
そうなってくるとTVも将来を見据えて、もう少し新しい方向性を考えてみるのも面白いと思います。今でもデータ放送はありますが、もっと大胆に展開してもよいのではないでしょうか。たとえば、ネットでは第三者配信というものを行っています。広告を一度、セントラルサーバーみたいなところに置き、それから配信するような形です。地上波のテレビもこのような全く新しいビジネスモデルを取り入れるといったアイデアです。テレビは基本的に局に広告素材を送って、広告枠に挿入したもらう価値です。もしこれがネットのように、番組と広告枠が切り離すことができれば、もっと視聴者にマッチした広告も送れるようになると思います。
10年近く前のゼミ生の論文で、消費者が事前に広告の好みを登録しておけば、それに沿った形の広告が送られてくるというアイデアがありましたが、そんなこともこの方法ならできるわけです。アメリカではTIVOなどのサービスである程度はできていると聞いています。日本のメディアも景気の回復でわずかに増加していることを喜んでいるのでなく、5年後、10年後を見据えた、大きな投資も必要な時期に来ている気がします。

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視聴者の選択の自由

前回のブログでバリ旅行について少し書きました。今回は、癒しをテーマに言ったこともあり、少し贅沢ですが、飛行機は往復JALのビジネスクラスを利用しました。といっても、成田からジャカルタまででジャカルタからバリ島までの1時間ほどは国内便のLCC便でした。


仕事で何度か海外にも行きましたが、あまりビジネスクラスを利用できる機会はこれまでありませんでした。今回ビジネスクラスクラスを利用して、さすが良いサービスだと実感しました。飛行場では、専用のラウンジがあり、お酒も含め飲み放題食べ放題、機内では、ほぼフラットになるくらいの非常に広いシート、特に帰りは深夜でしたので、ゆったりと寝ることができました。また食事もフレンチや和食など、これをどうやって温めて出してくれているのかというほどの内容でした。

一方インドネシア国内のLCCでは、飲み物などもお金を払って購入しますし、座席ももちろんかなり狭く、隣のインドネシア人のおばさんが少し大柄なため、結構窮屈な思いもしました。
そんな中、ANAが来年の新卒からCAを正社員として採用すると発表がありました。LCCとの差別化の一環と思われます。もちろん、ビジネスクラスの方が快適ですが、お金は大分違います。若い人なら、サービスより値段を優先せざるを得ないと思います。少し前から言われていることかもしれませんが、消費者にいかに選択の幅を持たせるかは大きなポイントです。投機と延期の話ですよね。物流関係のマーケティングでは、有名ですが、スーパーではじめから魚を切り身にしてパック詰めにして売るか、その場でさばいて消費者に好みに合わせて販売するかといった感じです。

当然、個々の消費者に対応すれば、コストは高くなります。そこを新しい技術でコストをあげずに対応することがポイントですね。選択しの幅をどう広げるかで顧客の満足度も変わってくるわけです。

このブログは広告の話が中心ですので、広告の話に落とすと、送り手側に関しては、まだまだオーディエンスに対して選択の自由を与えていない感じです。送り手側が行動マーケティングのように、消費者を選んで、その選んだターゲットに合う広告を送っていますが、逆にオーディエンスが選ぶというサービスはなかなか進まないようです。
アメリカで以前、TIVOというサービスが広告をオーディエンスがある程度指定して、それに沿って、広告を配信するというサービスがあったと思います。また、もう7~8年ほど前に私の2期生が書いた論文でも、オーディエンスが自由に設定して(たとえば、ナレーションは女性か男性か、音楽はアップテンポか静かなものなど)流すというアイデアを提案したことを思い出しました。
今のシステムはTV広告では無理ですが、インターネット関連であれば、十分に可能性はある気がします。もしかしたら、すでにやっているかもしれませんね。

もちろん、そういうサービスをしても消費者が最初の設定を面倒だと思い、行わないかもしれませんし、また広告本来の魅力である、意外な情報(自分の必要でない情報)に触れる機会が減ってしまうかもしれません。でもオーディエンスに選択の自由を与えるような広告があっても面白いのかとも思いました。

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広告論補講:メディア戦略(リセンシー他)

今日は、先日の広告論の講義で説明しきれなかったことについて書かせていただきます。したがって、すでに広告業界でお仕事をされている方は、いまさらという話なので、スキップしてください。


毎年、広告論の講義をしていますが、広告というのは生もので、その年、その年で加えたくなるものが出てきます。昨年、学外研究期間で広告論の講義を持っていなかったためもあり、広告論は2年ぶりとなり、どうしても、少しは足したくなるというのが本年です。今年のメディア戦略ではTVとスマホの連動によるソーシャルビューイングを足しました。Full Yellの事例などです。興味のある方はこちらをご覧ください。
http://www.jsgoal.jp/2011nabisco/fanzone/mvp/

これにしても2011年の事例ですので、少し古くなっていますね。講義では時間もなく、残念ながらあまり触れることができませんでしたが、メディアエンゲージメントとともかかわるお話です。

講義の中心はブランドコンタクトポイントの話で、「牛乳に相談だ。」のケースを解説しました。そんなわけで、オーソドックスな有効フリクエンシーやリーセンシーの話ができませんでした。学生とのお約束で、これについてはブログで書くと言っていましたので、少し書かせていただきます。

メディアエンゲージメント(その広告が流れている番組などのコンテンツの影響での効果)など、これまでの広告メディアの指標以外の要素を考慮する必要性が高まっていますが、メディアプランニングの基本は、広さ(リーチ)と深さ(フリクエンシー)ですね。これは講義でも話しましたし、ネット時代にしても、十分考慮しなければいけない理論です。実感として、何度か広告を見てから興味をもったり、買う確信をしてみたりということもありますよね。

この何度見せれば広告の態度変容(購入意向とか)が起こるかを考えるのが有効フリクエンシーです。昔はリーチ3+といってとにかく3回が魔法の数字のように言われました。でも3回ですべて説明できなことは理解できると思います。新製品と、これまで長くコミュニケーションをしているブランドでは当然、異なりますし、また複雑な内容をコミュニケーションする場合と、またお菓子やペットボトルの飲料など低関与の商品では、それほどの頻度(フリクエンシー)はいりません。

昔実務をしているころには、低関与な商品では、単純にTVの出稿量(GRP)と売り上げが結構相関関係があることもデータで裏付けられていた記憶があります。この有効フリクエンシーをいろいろな方法(数学的なモデル分析やブランドや商品カテゴリーなどの総合的指標で割り出す)で決めることがあります。その最適であろう頻度でもっともリーチを高くするプランニングがリーチマックスです。これも大手の広告会社で当然ながら行われていることですね。

さて1995年頃までは有効フリクエンシーの考え方が全盛でした。といってもアメリカの話で、日本では、メディアプランニング自体があまり盛んに研究や実務で行われていませんでしたが。1995年にジョーンズ先生という方が必ずしも頻度はいらない、ブランドによっては1回広告を見てもらえればよいということを調査で明らかにしました。その後、エフロン先生というメディアプランニングの大御所の先生が、リーセンシーというリーチ1回を中心に広く浅いメディアプランニングを推奨されました。
この考え方は、商品がほしくなるときは人によって異なる。テッシュペーパーがなくなるのは、私の家では、今日かもしれないが、あなたの家では、明日かもしれない。したがって、その必要なときにうまい具合に、ブランドをコミュニケーションするには、集中的にキャンペーンを展開するより、万遍なく行った方が効率的だというわけです。

この考えは、瞬く間に広告業界に広まりましたが、今はさほど聞かなくなった気がします。当然ですが、これらの当てはまるのは、これまで、すでにコミュニケーションを長く、そして大量に行っており、かつ内容的なことよりもリマインド(思い出すこと)が重要なブランドに限られるわけだからです。新製品や、複雑コミュニケーションを必要とする場合には、頻度は必要ですよね。
ということは、今回は、すでにこのブログでも何度も書いている、メディアプランニングの基礎的なお話をしました。広告論も来週が広告効果、そして、再来週に新しい広告の話をして前期も終わりです。時が進むのは本当に早いですね。

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移動者マーケティングの可能性

先日送っていただいた本を読んでいました。「移動者マーケティング」というJR東日本企画の方が書かれたご本です。大変面白く、刺激を受ける内容が多く見受けられました。ただし、正直な感想とすると、「おしいな」という印象です。もちろん、ざっと読んだだけですし、直接お話を伺ったわけでもないので、私の誤解というか、理解不足もあると思います。

移動者マーケティングとは、移動中の生活者、つまり「移動者」を戦略的に狙ったマーケティングです。この本の中にも移動動線という言葉が出てきますが、私は、消費者を考えるときに点ではなく、線で考えるべきだと思っていました。添付の図は、10年以上前に読売新聞の業界誌に書かせていただいた記事の図です。その意味では、良く着眼点を持つ本だと思いました。Ojo


ブランドコンタクトポイントがもてはやされましたが、ポイント、点が重視されるは広告会社がその方が取り扱いがたやすいからだと思います。実際の生活者、消費者はそのポイントにいるときにも実は、そのポイントに到達する前にも、物を考え、行動を起こしているわけです。もちろん、その後の行動もあり、それを期待して、そのポイントにいるわけですよね。それをそのポイントだけ考えるだけでは十分とは言えません。

また、この本では、インサイトを大変重視しています。これも私の考えと同じです。前半では、私のブログでも良く話に出るThe day in the lifeに似ている手法で描かれている生活者が取り上げられています。

また性や年齢というデモグラフィックで分析をしてはダメなのだということも述べられています。正しいですよね。ただし、それでいて、途中の章では、旧来のデモグラフィックで買い物行動を分析しています。これまでの媒体資料から脱却できていないと思いました。

一番残念に思ったのが、まず最初にキーTPOを設定するという話が出てきてしまうことです。時間と場所と場面です。結局は、駅での広告をどの時間帯でどう行えば良いかという宣伝に感じられました。JR東日本企画さんの本なので致し方ないとは思いますが。もったいない感じです。

私は、まずはターゲットを設定すべきと思います。それはデモグラフィックというよりは、ヘビーユーザーを狙うか、新規顧客を狙うかといったターゲット設定です。そのターゲットがどういう移動をしどの場面で、一番当該ブランドど強い絆を結ぶことが出来ることができるかを考えるべきだと思っています。ある意味メディアニュートラルですよね。

その中に中づりがあっても良いし、駅のポスターがあっても良いと思います。移動というのは、心が変わるところです。10時間近く会社で働いていて、そこから移動して、気持ちも環境も変わります。その時に特別な感情が起こることもあると思います。疲れてほっとする時、これから合コンでウキウキしているとき、そんなときにブランドとの特別なつながりがでると思います。

ある意味、エンゲージメント論ですよね。この本の中にケースとしてグリコのアイスクリームの話が出てきますが、残念ながら購入に近い場面だから交通広告が有利であるという話になっています。それよりも別の例で挙げられていた、ピザーラやサントリーの疲れた仕事の自分へのご褒美というインサイトの方が移動者マーケティングに対して適切なケースだと思いました。

少し厳しいコメントになりましたが、それだけ、刺激を受ける部分も多かったということです。機会があれば読んでみて下さい。

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テレビ広告の新しい使い方

今日アドバタイザーズ協会の会報誌「JAA」が届きました。特集は「テレビメディア、テレビ広告の新しい使い方」です。内容は、民法キー局5局の営業のトップの方が、自社の取り組みをご紹介されている内容です。テレビ朝日さん以外は、SNSとくにFacebookとの連携という内容でした。

テレビ朝日さんは、かつてなかなか実現するのが難しかった番組との連動企画が中心です。アメトークやモーニングバードを用いたようで、単に、枠があるから買ってもらうというこれまでの商売では売れない、セールスの難しさが感じられます。昔昔、30年ほど前に私がまだ新人だった頃、テレビでの連動はかなり難しい状況でした。私が担当していたような企業は1社提供でもありませんし、なかなか希望を聞いてもらえませんでした。というよりも希望を出す雰囲気でもなかったと思います。それに比べ、ラジオはその当時からかなり融通がきき、商品名をタイトルにしたり、パーソナリティをCMで起用しているタレントにしたり、コーナーに商品と連動したものもお願いしました。大変面白い仕事だった気がします。今こそ、広告会社の発想力でいろいろなことができそうですね。

さて、他の4局は双方向を意識したものです。とくに日本テレビさんはJoinTVというサービスで、データー放送を利用して面白い、試みをされているようです。これらは素晴らしいことですし、アメリカなどではかなり進んでいます。ただし、テレビ局としては今まで諸刃の剣ということで、おそらく躊躇をしていたことだと思います。

というのも、データ放送やモバイルとの連動では、これまでのビデオリサーチさんの世帯視聴率を超える状況になるからです。今までは、視聴率1%でいくらという商売だったものをこれとは別の効果があるということを自社で認めたわけです。ある意味、視聴率をベースにした今のビジネスモデルを大きく変える可能性が出てきたと思います。

ただし、私は、どちらにしろ、もう旧来のビジネスモデルではTVの未来はないと思っています。ある意味、ピンチをチャンスに変える気持ちで、これまでの世帯視聴率をベースにした商習慣を制度的にも変える時期ではないでしょうか。たとえば、インターネットで行われている第3者配信といったものを考えてはどうでしょうかね。

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SPIDERとRadikoと広告プランコンペ

昨日は、わくわくすることがいくつかありました。まずは4回生が自主的に参加した同志社大学広告研究会主催の広告プランのコンペで優勝してくれたことです。昨年もいろいろ結果を出してくれましたが、自主的に応募して、また私の指導も一切なく、賞をとってくれたということは、本当に自分の力になっているのだと感じました。

何か、自分の指導方針が正しかったと言われたようでウキウキです。参加したみなさん、おめでとう、そしてありがとう。

さて、もうひとつは広告学会です。昨日関西部会があり、報告をしてきました。私の報告は「基礎から学べる広告の総合講座」という本、24年分の「メディアプランニング」の章をまとめたものです。研究といえるかどうかわかりませんが、こういう地味な研究もある意味必要だと思っています。

それにもまして、私以外の2名の先生のご報告が大変刺激を受けるモノでした。1つは、関西大学の三浦先生のRadikoの立ち上げのケースです。ご存じの方も多いと思いますが、RadikoはIPサイマル放送です。シンクロアドという画像付きの広告がスタートした話など、興味深いものでした。私は、このRadikoが今後、ラジオ視聴の主流になってくるとおもいます。専門的な話ですが、そうすると今のネット広告のような第三者配信や行動ターゲティングのようなことにも移っていくのではと思っています。まだ少し時間はかかるかも知れませんが。それがゆくゆくはTV広告の世界にも大きな影響を与えると思います。

もうひとつのご報告がSPIDERというサービスについてです。1~2週間の全チャンネル、全時間帯を全部録画するハードレコードのようなものです。但し、それにいろいろ付随しているサービスが付いています。

数年前、広告論で取り上げたTIVOに似た感じですが、それよりはるかに進歩していると思いました。特に興味深いのは、ソーシャルというサービスです。たとえば、番組やCMの最中にTwitterのような感じで突っ込みを入れたいときはその書き込みが簡単にできるようになっています。別の視聴者はその書き込みをみて、面白そうなシーンをピンポイントでさかのぼってみることができるわけです。Twitterなどで、面白いという書き込みのあった、TV番組やCMをその部分だけ視聴できるようになるわけです。「コロッケの松山千春のポニョが最高!」みたいな書き込みがあり、面白そうなら、それをクリックすれば昨晩のそのシーンのみが見えるわけです。

そのほかにも好きなタレント、ブランドそしてキーワードのモノだけ、ピックアップしてそこだけ見ることもできるようです。今プロ用(企業用)のサービスがメインで、広報部が自社のブランドの露出をチェックするときに使っているとのことです。もうまもなく、本格的に家庭用にも進出するそうで、私も買いたくなりました。

但し、これができるとかなり広告取引に影響が出る気もします。番組の中に含まれるCMでも前に置かれる場合には、視聴される機会が増えますが、番組の終わりに出る場合には、見られない場合も出てくると思います。CM挿入位置はかなり恣意的なので、今後どうするかですね。

また、もちろん個人視聴率も直接的な広告取引の売買指標にはなっていませんが、同じようにこのSPIDERの書き込みの状況などでいろいろな分析ができるわけで、企業とするとこれをもとにメディアプランやタイムテーブルチェックをすることも可能になってくると思います。

といっても、ある程度の家庭に普及することが前提ですが、スマートTVが話題になっていますが、本来的な意味のスマートTVの登場になる予感です。

詳しくは、こちらをご覧ください。

http://www.ptp.co.jp/spiderpro/

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Twitterは黄昏時?

先ほど、Twitterから「新しくフォローされました」という通知がきました。革製品の会社のようで完全なる販売目的のようです。商品というよりはどういうマーケティングをしているのか興味があり、そのページに行ってみました。フォローが2000弱、フォロワーが1000弱というところのようです。

内の学校のサークルや知っている学生もフォローしているようなので芋蔓式に増やしているのですね。まったくのスパムではありませんが、私とするとあまり良い印象は持ちませんでした。ネットにアドレスを公開してしまったこともあり、スパムメールがひどい状況です。

Twitterについては、もちろん有意義に使っている人もいると思いますが、私自身も最近はまったくみませんし、周りも少し足が遠のいているようです。それどころか、今日学生と話をしていてもFacebookすら、新鮮味に欠けてきたという話がありました。今はまだLineのほうが使っているようですが、それもいつまで続くかわかりませんね。

ネット時代になって、広がりと収束が思った以上に早くなっている気がします。Mixiもつい数年前までは、学生にとって特別な存在だった気がします。

話しは変わりますが、以前吉本興業の芸人の人の話がありました。一部の芸人は決して東京進出はせず、大阪で頑張っているということです。十年一日のごとく同じギャグをして、一部の人には確実に受けるという感じです。東京に進出しテレビを中心に活躍する芸人は一気にブレークする場合もありますが、その分消えるのも早いようです。

マーケティングも同じですね。特にネットをうまく利用すれば一気に広げることのできる可能性もありますが、逆にネット全盛だからこそ、細く長くも可能なはずです。どちらが良いのかは状況によって変わりますが、必ずしも一気に拡大するだけがビジネスでもない気がします。

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コンテクストプランニングはお勧めです!

今年は、本を読む時間が多く充実した毎日を送っています。読むのが遅い私ですが、それでもかなりバラエティある本を読む機会が持て、乱読の楽しさも味わっています。乱読すると意外なものに出会えるものです。

そのような中、お勧めの一冊がありますので、ご紹介します。「次世代コミュニケーションプランニング」という本で、高広伯彦さんが書かれています。タイトルだけみると昨今のネット系のハウツー物のように感じられますが、そんな感じではありません。どちらかというと、コミュニケーションに関する考えたとか、アプローチの仕方を書いてあるものです。

また、高広さんは同社大学の社会学研究科修士課程を出られており、随所に社会学の知見が述べられています。皆さんも将来高広さんのように社会学の知見をビジネスに活かしてもらえるのではと少し期待をしています。

さて、この本で、一番使えるな~と感じたのは後半の「コンテキストプランニング」の話です。実は、それほど新しい話でもないですし、実践している方も多いと思います。でも改めてフレームワークとして提示されると、特に若い人に有用だと感じました。

コンテキストとは文脈ですよね。このブログでもエンゲージメントの話でよく出てきますが、その主体が置かれている周りに存在するもののようなものです。ブランドの周りにもいろいろなものがありますよね。

内のゼミではまずゼミに入るとPEST分析や3C分析をさせますよね。まさにこれがブランドを取り巻くコンテキストです。高広さんのフレームワークでは、特に「消費者文脈」「パブリック文脈」「所属産業文脈」「ブランド文脈」に着目して、それにそって、コミュニケーションプランのアイデアを考えていくようです。

内のゼミ流でいえば、消費者文脈はコンシューマーインサイト分析ですよね。パブリック文脈はPEST分析、所属文脈は3C分析の市場、そしてブランド文脈は3C分析の自社分析となります。

先日の企業研究でも協賛企業とのコラボレーションはブランド文脈から出てきていますし、LINEを使ったプランはパブリック文脈かもしれません。ただし、今まえでは、最初にそのような分析をさせるだけで、あとは、それをベースにして経験的にプランを考えさせていた気がします。ある意味、職人の世界ですし、少し効率も悪いと思います。フレームワークは目的地に到達するための近道になります。

そういう意味から言って、3回生の今度の秋のプランついては、最初にPEST分析や3C分析、コンシューマーインサイト分析をして、その後、上記の4つの文脈に照らし合わせ、どのようなアイデアが考えられるか検証することが良いですね。3回生の皆さんは夏休みの課題ですので、ぜひ、コンテキストプランニングのを活かして有効なプランを考えてみてください。

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広告プランの評価の難しさ

私のゼミでは、毎年企業から頂いた課題について、広告プランを作成し、プレゼンを行うというプロジェクトを行っています。前期は先週の月曜日に行いましたが、今年も充実したプレゼンテーションになりました。

このプロジェクトは私が大学でゼミを持ち始めてから毎年行っていますので、もう9回目となります。毎年学生達は徹夜も辞さない状況で頑張っています。そのためか、課題を頂いている広告主様からもそれなりの評価を頂き、このところ4年は同じ企業にご協力を頂いています。

昨日、その企業から、今回のプレゼンテーションの評価用紙を頂きました。私が用意した6つの評価項目について5段階で評価をして頂きました。この評価用紙はまったくのオリジナルですが、どのような項目にするか結構悩み、4年ほど前から固まってきました。昔代理店コンペのコンサルティングといった仕事もしていたのですが、そのときはもっと多くの項目で、また具体的な内容でした。シンプルに評価するのは難しいですね。

6つの項目は以下の通りです。

1)プレゼンテーション姿勢やパワーポイントなどのビジュアル面は良いか?

2)シナリオの組み立ては良いか、プランの一貫性はあるか(論理性)?

3)コンセプトが新しい、またはユニークな提案になっているか(独創性)?

4)そのための説得性(バックアップデータなど)は十分か(実証性)?

5)思わず手が出るようなアイデアで効果が期待できるか(有用性)?

6)実際に実現可能なプランか(実現性)?

です。昨年の評価が見つからないのですが、2009年、2010年、そして今年の結果を分析してみました。それを見ると面白いことが見えてきました。

今年の3チームの平均得点は合計すると4.2で他の2年は3.9です。というと今年がすぐれているように聞こえますが、テーマも違いますし、採点者も異なります。以前は1とか2点という厳しい採点をされる方もおられましたが、今年の最低点は3点でした。優しい方が多かったのですね。

特に今年点が高かったのが1)のプレゼンと3)独創性です。プレゼンについてさほど良かったかはじめは疑問でしたが、確かに今年は多少早めにプランを創り終わり、プレゼンの中に寸劇のようなものを入れ、プレゼンの場を和やかにさせるものがありました。もちろん内容は大切ですが、見せ方も大切ですね。

独創性は確かに今年面白いアイデアはあったと思いますが、今年が特にSNS等に関することであったことも影響したのかもしれません。学生らしさが行かせたプランになっていたと思います。

一方、3年を通し若干低い得点なのが、4)バックアップ・実証性と2)ストーリー論理性でした。この2項目は4点を切っていました。内のゼミはこのポイントを特に重視しているのですが、実務の方にははやり物足りないのでと思います。もちろん独創性は大切ですが、それを単なる思い付きと思わせず、実際の仕事を依頼しようという気持ちにさせるのは、結局この2つのように思っています。

現役の方は後期の課題や卒論、そしてOBの方は普段のプランニングの仕事でぜひ意識をしてもらいたいと思います。

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