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2016年3月

学生論文の書き方

一昨日、卒業式がありました。今年も笑顔のゼミ生を送り出すことができホッとしています。夜は遅くまで飲み、昨日は完全休養日でした。

さて、送り出した卒業生が、卒業してから学校の講義を受けることができないかという質問をしてきました。聴講制度などを説明したのですが、社会人になるとなるともっと勉強しなければ、したいと思う人も多くいると思います。
人によっては、卒論で悔いが残っている人もいると思います。あるいは、今後のことを考えてもっと勉強をしなければいけないと思った人もいるのではないでしょうか。
今日は学生が書く論文について少し述べていきたいと思います。1つには、新4回生が悔いのない卒業論文を書いて欲しいという気持ちがあります。但しOB/OGの皆さんにとっても論文(研究)と企画書や報告書は、実は同じポイントを抑えるべきだと思うからです。
うちのゼミ生が書く論文は形式的には、特に問題はないものばかりです。それなりに面白いものも多いのは事実です。特に3回生のグループ論文は3チームともかなりのレベルだと思っています。但し、今年も学内の論文賞では入賞は1チームのみ、卒業研究はすべて選外でした。賞を取るために書くわけではありませんが、正直残念だと思います。
言い訳をすれば、内のゼミは3回生の時、広告プランの作成に多くの時間をさいています。したがって地道に先行研究にあたり、遠くまで調査に行くようなゼミでは、ありません。でもその中でも良い論文はかけてるはずです。
それでは、現状何が足らないのかと考えてみました。一番の問題は「問い」がしっかり立てられていない、問題意識の掘り下げが十分でない、そして自分の主張が弱いといことだと思います。
「インターネットのことを研究したい」、「アニメのキャラクターを調べたい」といっても、では、そのどの部分のどういうことを明らかにしたいか、あまり明白ではなく、またオリジナリティはかけている気がします。社会に出てからの、課題の発見です。研究なら、この問により社会が良くなる、実務ならブランドや商品が良い状態になるということです。その見通し(仮説)がないとどうしても調べ学習や調べ報告書になってしまいます。私も昔、調査の報告書を書いていましたが、事実の羅列で、自分の仮説、検証がみえないものが多かった気がします。
研究でも実務でも最終的な主張は絶対に必要です。まず問いをとことん掘り下げて、何かを明らかにしたいのか、しなければいけないのかを明確にする。そしてそれに関する過去の研究や、データをしっかり調べる。すでに明らかになっていることは調べる必要はないわけです。そして仮説を明確にし、仮説の検証法をしっかり吟味し、検証を行う。そして最後にそれから導き出すことのできる結論とインプリケーション(どう発展、実務に活かせうかなど)を書くことです。
そこで特に必要なのが、結論に含まれる書き手の主張です。私をこの研究でこれがわかった、こうすれば社会がよくなる、課題が解決するということです。

新4回生は就活で忙しいと思いますが、ぜひ卒論ではこれらを意識して、そしてOBに/OGのの皆さんは、自分の企画書・報告書にそれらが含まれているかを再度確認してください。きっとより良いものがつくりあげることができると思います。

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聞くことについて

前回に引き続き、「聞くこと」の大切さについて整理をしてみたいと思います。コミュニケーションの基本は聞くこと、と分かっていても中々出来ないものです。OBの皆さんの中には、先生が「一番人の話を聞かない、1人でしゃべっている」と指摘される方もいると思います。ある意味、今回は自戒と言いましょうか、今後のための私の宣言と言う意味でも書かせてもらいたいと思います。

まず聞くという事はとても多くの情報を得る事が出来るということです。特に紙に書いた情報とは比べなれない情報です。別に本を読むことを否定するものではありません。但し、聞くという行動には言葉だけでない、相手の表情や補足的に付け加えられる言葉もあると思います。またそれ以上に聞く側の人をインスパイアさせる直感のようなものも得られるのではないでしょうか。
アンケート調査をゼミの皆さんが実施する時も、SNS等で集められた文字情報ではなく、実際に被験者の人に声をかけ、聞くということをするようにお願いしています。それは、単にYES、NO以外の情報が得られる可能性が高いからです。量的調査を否定するわけではありませんが、相手の顔を見ながら聞くことはして下さい。またしっかりと質的な調査方法を理解して、トライして欲しいと思います。新3回生は投影法など非質的な調査にぜひ挑戦してみてください。
聞くことの大切さの2番目は、1対1の話のときに感じることです。私は職業柄良く、アドバイスを求められたりします。今の時期だと就職活動について相談を受けることも多くなっています。これまでを振り返って反省することは、私自身が人の話を聞かずに、自分の意見をゼミの皆さんに押し付けていたのではないかということです。相談に来られる人の多くは、どうして良いか分からないからアドバイスを求めにきている人もいます。しかし、かなりの人はまずは聞いてもらいたいだけか、あっても選択肢が欲しいだけのような気がします。なぜならば同じ期のゼミ生であっても一人ひとりに状況は違いますし、決めるのは結局本人でだからです。私はどんなに深く関わっても当事者になれませんし、私が就活するわけではありません。このことをアドラー心理学では「課題の分離」という言葉で整理しているようです。自分の課題ではないことをしっかり自覚し、アドバイスはしないというのが基本のようです。
悩んでいる人がいれば、まず話を聞いてあげる、そして必要に応じて、情報は与える。そして選択肢を提示して決定を促すということが大切なようです。その人にあった情報を伝え、選択肢を提示するためにもまずはしっかりと聞く事がまずは第一になります。
就活の話になりましたので、ついでにどう聞けば良いかを書いてみたいと思います。ゼミの皆さんの多くの方には伝えたと思いますが、ファシリテーションというものがあります。その中には、傾聴の勧めという事が書かれています。まずは真剣に人の話を聞こうという姿勢を持つことです。私がそうなのですが、人が話をしていても、直ぐにその先のことを考えてしまう人がいます。この場合には、人とのコミュニケーションは成り立ちません。また聞く時も、うなずくとか、あるいは人が言ったことを繰り返すと良いなどが言われています。特に就活のグループディスカッションのときは、この傾聴ということを思い出してください。
もしファシリテーションのマテリアルが欲しい人がいたら連絡して下さい。ゼミで使ったパワポを差し上げます。それから、新3・4回生で、もし私が人の話を聞かないで、アドバイスを始めたら、ぜひ指摘して下さい。私自身少しずつ直していきたいと思っています。ぜひ、私と一緒に聞き上手な人になってください。

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再び始めます。

1年半ほど前にまで定期的に書いていたブログですが、体調の問題から長くお休みをしていました。体調も回復し春休みということで、無理のない範囲で再び始めます。と言っても、どのくらいの頻度で書けるかはわかりませんが、できるだけ週に1度くらいのペースで書いてみたいと思います。

以前は、できるだけ新しいニュースをゼミの皆さんに届けることを心がけていました。中々新しいニュースもありませんので、今回は昔のことを含め私がこれまで学んだことを書いてみたいと思います。あくまでもゼミの現役の皆さんやOBの方が対象ですので、少し不確かなことや初歩的なこともあるかもしれませんが、お許しください。何か間違いがあればぜひ指摘してください。
さて、私には恩師と呼べる先生が4名います。大変ラッキーです。高校時代、大学時代、修士課程時代、博士後期課程時代です。特に影響を受けたのは、学部時代の肥田日出生先生と後期課程の小林保彦先生です。肥田先生はご自身でfacebookに多くの投稿をされているので、ぜひチェックをしてみてください。大変勉強になります。
実は、今回ブログを再開しようと思ったきっかけは、今年に入って小林先生のお話を聞く機会が何度かあったためです。小林先生が主催される勉強会に2度、そして昨晩昨年惜しまれつつ亡くなられた近畿大学の妹尾先生を偲ぶ会でお会いしました。この会は、法政大学の青木先生が企画してくださり、小林先生や多摩美術大学の佐藤先生、青学で講師されているコンサルタントの山本さん、アジャイルメディアネットワークの藤崎さんが参加されました。主旨は妹尾先生をお送りすることですが、広告クリエイティブの理論的な「広告知」をお持ちの皆さんで本当に深い勉強になるお話がうかがえました。
元々妹尾先生とは青木先生や山本さんと一緒に小林先生が主催するアカウントプランニング研究会でご一緒させていただいたのが最初です。その後、一緒に『アカウントプランニング思考』というご本を研究会のメンバーで出させていただきました。本当に素晴らしい本です。ぜひお読みになることをお勧めします。
話は変わりますが、今ビッグデータやネット広告がますます注目されています。ついにネット広告の広告費が新聞広告の倍以上になり、また昨年からACの広告賞でも通常のTVCMとは別にネット動画を対象にした賞もできました。
ネット広告やビッグデータは多くの数値データが取れます。小林先生の受け売りですが、ビッグデータはますます全数調査に近い結果を得ることができます。ただし、ここでの問題はこれらはあくまで過去のデータであることです。間違ってほしくないのですが、量的な調査を必要な無駄だと言っているわけではありません。ただし、インサイトを発見する一つのテクニックの1つだと考え、量的調査がすべてだとは思わないで欲しいということです。量的な調査だけを盲目的に信じることは、大きなミスを犯すことにもなります。
特に新しいアイデアを得るためには、質的な調査は必須です。投映法や参与観察、そしてインタビュー調査は本当に重要だと思っています。特にインタビュー調査にも関わりますが、「聞く」ということは本当に大切です。実は、この「聞く」ことの大切さを、小林先生の研究会で再度教えていただいたことです。このことについては、また別に機会に書きたいと思います。
話が長くなりましたが、ネット広告やビッグデータが評価を受けている今日だからこそ、実はコンシューマーインサイトを見つけ、戦略を立てることが重要になってきます。戦略開発というと少し古い言い方かもしれまんね。ゼミでも言っていた、コンシューマーインサイトをもとにした物語作り、が基本です。どのようなビッグデータを取るのか、出てきたデータをどう生かすか、また単なるリスク回避の効率追及ではない、大きな価値を生み出す広告コミュニケーションを行うためにもぜひゼミで習ったコンシューマ―インサイトを意識してください。

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