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広告論補講:メディア戦略(リセンシー他)

今日は、先日の広告論の講義で説明しきれなかったことについて書かせていただきます。したがって、すでに広告業界でお仕事をされている方は、いまさらという話なので、スキップしてください。


毎年、広告論の講義をしていますが、広告というのは生もので、その年、その年で加えたくなるものが出てきます。昨年、学外研究期間で広告論の講義を持っていなかったためもあり、広告論は2年ぶりとなり、どうしても、少しは足したくなるというのが本年です。今年のメディア戦略ではTVとスマホの連動によるソーシャルビューイングを足しました。Full Yellの事例などです。興味のある方はこちらをご覧ください。
http://www.jsgoal.jp/2011nabisco/fanzone/mvp/

これにしても2011年の事例ですので、少し古くなっていますね。講義では時間もなく、残念ながらあまり触れることができませんでしたが、メディアエンゲージメントとともかかわるお話です。

講義の中心はブランドコンタクトポイントの話で、「牛乳に相談だ。」のケースを解説しました。そんなわけで、オーソドックスな有効フリクエンシーやリーセンシーの話ができませんでした。学生とのお約束で、これについてはブログで書くと言っていましたので、少し書かせていただきます。

メディアエンゲージメント(その広告が流れている番組などのコンテンツの影響での効果)など、これまでの広告メディアの指標以外の要素を考慮する必要性が高まっていますが、メディアプランニングの基本は、広さ(リーチ)と深さ(フリクエンシー)ですね。これは講義でも話しましたし、ネット時代にしても、十分考慮しなければいけない理論です。実感として、何度か広告を見てから興味をもったり、買う確信をしてみたりということもありますよね。

この何度見せれば広告の態度変容(購入意向とか)が起こるかを考えるのが有効フリクエンシーです。昔はリーチ3+といってとにかく3回が魔法の数字のように言われました。でも3回ですべて説明できなことは理解できると思います。新製品と、これまで長くコミュニケーションをしているブランドでは当然、異なりますし、また複雑な内容をコミュニケーションする場合と、またお菓子やペットボトルの飲料など低関与の商品では、それほどの頻度(フリクエンシー)はいりません。

昔実務をしているころには、低関与な商品では、単純にTVの出稿量(GRP)と売り上げが結構相関関係があることもデータで裏付けられていた記憶があります。この有効フリクエンシーをいろいろな方法(数学的なモデル分析やブランドや商品カテゴリーなどの総合的指標で割り出す)で決めることがあります。その最適であろう頻度でもっともリーチを高くするプランニングがリーチマックスです。これも大手の広告会社で当然ながら行われていることですね。

さて1995年頃までは有効フリクエンシーの考え方が全盛でした。といってもアメリカの話で、日本では、メディアプランニング自体があまり盛んに研究や実務で行われていませんでしたが。1995年にジョーンズ先生という方が必ずしも頻度はいらない、ブランドによっては1回広告を見てもらえればよいということを調査で明らかにしました。その後、エフロン先生というメディアプランニングの大御所の先生が、リーセンシーというリーチ1回を中心に広く浅いメディアプランニングを推奨されました。
この考え方は、商品がほしくなるときは人によって異なる。テッシュペーパーがなくなるのは、私の家では、今日かもしれないが、あなたの家では、明日かもしれない。したがって、その必要なときにうまい具合に、ブランドをコミュニケーションするには、集中的にキャンペーンを展開するより、万遍なく行った方が効率的だというわけです。

この考えは、瞬く間に広告業界に広まりましたが、今はさほど聞かなくなった気がします。当然ですが、これらの当てはまるのは、これまで、すでにコミュニケーションを長く、そして大量に行っており、かつ内容的なことよりもリマインド(思い出すこと)が重要なブランドに限られるわけだからです。新製品や、複雑コミュニケーションを必要とする場合には、頻度は必要ですよね。
ということは、今回は、すでにこのブログでも何度も書いている、メディアプランニングの基礎的なお話をしました。広告論も来週が広告効果、そして、再来週に新しい広告の話をして前期も終わりです。時が進むのは本当に早いですね。

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