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評価される論文

年末になり、学校も終わっているのですがどうもブログにまで手が回りませんでした。今年最後かもしれないので、今日は皆さん(現役生とOBの方々)に一番伝えたいことを少し長めに書きたいと思います。


今、一番伝えたいことは「評価される論文」とはどういうものかということです。現在4回生は卒論の執筆で大詰めを迎えています。また3回生は学部内の論文賞のために論文を書いているところですよね。その確認という意味もあります。またOBの方についてですが、論文の書き方=実社会のプランの書き方、とも言えると思うからです。
話は、少し変わりますが、すでにFace bookにも書いたように、今年度も学部内で行われた研究発表大会、ゼミナール大会で内のゼミは最優秀賞を受賞をすることができました。この大会、学部内とはいえ、1~3回生の150以上の小集団のグループ、たとえば専門演習や社会調査士プログラム、それに1回生の基礎演演習のクラスが参加している大掛かりなものです。研究の内容も、専攻の枠を超え、福祉や教育、スポーツなど多岐にわたっています。その点から言っても一定の研究における評価を頂けたと思っています。実は、予選、決勝という形になって今年で3年目ですが、この3年間すべてでもっとも良い賞を頂きました。昨年も最優秀賞ですし、最初の年は上位3チームに送られる部門賞を頂きました。
この研究を基にして論文を書くわけですし、論文ではありせんが、論文のベースになる研究です。ちなみに別に審査が行われる論文賞は2年前は優秀賞(最優秀賞が該当無)昨年はおしくも1つ下の教育賞でした。
自慢話はこの辺にして、なぜ内のゼミがある程度の評価が頂けるのでしょうか。そこには内のゼミがある一定の進め方に沿い研究を行っているということがあると思っています。
実はそれにも関らず中々卒論になると良いものが書けない方が多くなるので、この文章を書こうと思ったわけですし、卒論指導のために、何冊か本を読んでいます。その中の1冊河崎剛著『優秀論文作成術』は、私がこれまで考え、進めてきたことを本当にうまく文章化されていると思いました。正直学部生の皆さんには少し難しい内容ですが、特に第一部は読む価値はあると思っています。
この本を参考にそれでは、評価される論文の書き方を整理することにします。いつも剽窃は絶対いけないと言っていますが、いちいち川崎によればと書くのは大変なので、基本川崎先生が整理されたことを私なりに再整理したものを書いていると思ってください。
まず評価されるポイントは2つです。1つはしっかりとした「型」にはまっているかです。そしてもう一つはユニークな切り口を持っているかということです(川崎先生は学問的意味と述べられていますが)。まず型についてですが、最も大切なことは私が良く言う「大仮説」、川崎先生だと「中心命題」を明確に書くことです。すなわち、この研究で一番言いたいことは何かを短い文章で分り易く書く必要があります。それもその中心命題は「AではなくBである」というように、他の人が反論できるものでなければいけません。私は、この分野ではAという考えではなく、Bが正しい、有効だと思うということです。他の人は逆にそうではない、BではなくAが正しい、有効だと反論を述べられるそんな命題を提示する必要があります。

先日のゼミナール大会の内の論文で言えば、「京都市において違法駐輪をなくすには、社会的ジレンマの構造的方略ではなく、心理的方略の特に信頼を用いるべきである」といったことになります。これが基本中の基本です。私もゼミナール大会の予選会の審査委員をしたのですが、残念ながら、この中心命題が明確に提示されているグループがほとんどありませんでした。私の部屋が1回生の基礎演習のグループが中心だったこともありますが。

さて、中心命題を見つけるためには、どうすればよいか、また何かを書かなければいけないかといえば、先行研究です。実は、これが2つ目のポイント、ユニークな切り口につながるのですが、それは後ほど書くとして、型を先に話すとその先行研究の整理から、小仮説・調査仮説のようなものを整理します。これはいくつあっても良いわけで、逆に1つの文章に複数の要素があってはいけません。
そして、その仮説を検証するための方法論が述べられている必要があります。学部レベルでは、そこにあまり多くのページを割く必要はありませんが、もしアンケートのような量的な調査なら、しっかりとした調査概要を書き、方法論的にも問題がないことを確認します。型という意味では特にこの調査の仕方が適切かが大きな評価ポイントになります。その後は、その検証ための調査結果の記述と分析となります。そして結論を書き、最後に終わりにで、Implication(含意)をいれます。「暗にほのめかすもの」という意味ですが、この研究をしたことで、さらにこんなこともできる、あんな研究にも役立つというようなことです。研究の発展性ですよね。
実は、これは私が良くいう、一般化ということにも関わります。単に違法駐輪の解決の問題だけではなく、他の社会的ジレンマの問題にも発展、展開できる研究であることを伝えるわけです。これにより、より社会的に意味のある研究として評価されるというわけです。
また私はいつもプランでも論文でもストーリーを大切にしなさいと言っています。つながりですが、この型に含まれる、中心命題を含む序章、先行研究、仮説の提示、仮説の検証方法、検証、分析、結論、終章、参考文献、注というものが一連の流れとして感じられることにより、はじめて完成されるわけです。
分り易い言葉で言えば、あなたが何か買い物をするとき、たとえば、スマホでも結構です。いくらカッコ良いデザインや、1つの特定の機能が優れていても、もしバッテリーが10分でなくなってしまったり、SNSを使うことができなければ買いませんよね。1つの型をすべてしっかりと含んでいることは、人が何かを選択する時、あるいは評価するときに大変大きなポイントになります。何か1つの大きなマイナス点があればそれで全体の評価が一気に下がります。したがって、研究においては、まず型をしっかり理解することがまず大切になってきます。
それでは、型どおりにすべてが含まれていればそれで良いのでしょうか。スマホなら、一通りの機能は別に問題はない、でも惹かれるものがない場合もありますよね。その点が、ユニークな切り口になります。そしてそのユニークな切り口を見つけるためにも実は先行研究が本当に大切になってくるわけです。あまりに長い文章になってしまいましたので、このことについては、また明日書くことにしたいと思います。

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