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移動者マーケティングの可能性

先日送っていただいた本を読んでいました。「移動者マーケティング」というJR東日本企画の方が書かれたご本です。大変面白く、刺激を受ける内容が多く見受けられました。ただし、正直な感想とすると、「おしいな」という印象です。もちろん、ざっと読んだだけですし、直接お話を伺ったわけでもないので、私の誤解というか、理解不足もあると思います。

移動者マーケティングとは、移動中の生活者、つまり「移動者」を戦略的に狙ったマーケティングです。この本の中にも移動動線という言葉が出てきますが、私は、消費者を考えるときに点ではなく、線で考えるべきだと思っていました。添付の図は、10年以上前に読売新聞の業界誌に書かせていただいた記事の図です。その意味では、良く着眼点を持つ本だと思いました。Ojo


ブランドコンタクトポイントがもてはやされましたが、ポイント、点が重視されるは広告会社がその方が取り扱いがたやすいからだと思います。実際の生活者、消費者はそのポイントにいるときにも実は、そのポイントに到達する前にも、物を考え、行動を起こしているわけです。もちろん、その後の行動もあり、それを期待して、そのポイントにいるわけですよね。それをそのポイントだけ考えるだけでは十分とは言えません。

また、この本では、インサイトを大変重視しています。これも私の考えと同じです。前半では、私のブログでも良く話に出るThe day in the lifeに似ている手法で描かれている生活者が取り上げられています。

また性や年齢というデモグラフィックで分析をしてはダメなのだということも述べられています。正しいですよね。ただし、それでいて、途中の章では、旧来のデモグラフィックで買い物行動を分析しています。これまでの媒体資料から脱却できていないと思いました。

一番残念に思ったのが、まず最初にキーTPOを設定するという話が出てきてしまうことです。時間と場所と場面です。結局は、駅での広告をどの時間帯でどう行えば良いかという宣伝に感じられました。JR東日本企画さんの本なので致し方ないとは思いますが。もったいない感じです。

私は、まずはターゲットを設定すべきと思います。それはデモグラフィックというよりは、ヘビーユーザーを狙うか、新規顧客を狙うかといったターゲット設定です。そのターゲットがどういう移動をしどの場面で、一番当該ブランドど強い絆を結ぶことが出来ることができるかを考えるべきだと思っています。ある意味メディアニュートラルですよね。

その中に中づりがあっても良いし、駅のポスターがあっても良いと思います。移動というのは、心が変わるところです。10時間近く会社で働いていて、そこから移動して、気持ちも環境も変わります。その時に特別な感情が起こることもあると思います。疲れてほっとする時、これから合コンでウキウキしているとき、そんなときにブランドとの特別なつながりがでると思います。

ある意味、エンゲージメント論ですよね。この本の中にケースとしてグリコのアイスクリームの話が出てきますが、残念ながら購入に近い場面だから交通広告が有利であるという話になっています。それよりも別の例で挙げられていた、ピザーラやサントリーの疲れた仕事の自分へのご褒美というインサイトの方が移動者マーケティングに対して適切なケースだと思いました。

少し厳しいコメントになりましたが、それだけ、刺激を受ける部分も多かったということです。機会があれば読んでみて下さい。

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